ベリチオ・デル・シルカ 2021 / マヌエル・プルチーニ
ワイナリー:マヌエル・プルチーニ
生産地:イタリア / トスカーナ
品種:ヴェルメンティーノ40%、マルヴァジア30%、その他の白品種30%(うち20%は8月に早摘みしたブドウ)
タイプ:白
栽培:ビオディナミ
SO2:瓶詰時少量、2022年5月時点のSO2トータル62mg/l
【トスカーナ注目のビオディナミ生産者】
マヌエル・プルチーニ。ヴィンテージを重ねるごとに洗練されていき、何より彼のワインからは溢れるエネルギーやスケールの大きさを感じます。
※以下、インポーターVIVIT様情報
ベリチオ・デル・シルカ 2021
収穫は手摘み。ヴェルメンティーノとその他の品種は全房で圧搾、マルヴァジアは除梗・破砕して数時間のスキンコンタクト。低温で清澄した後、品種毎別々に野生酵母のみで自発的に発酵。その後マロ発酵と熟成。醸造添加物は一切加えずに醸造する。ブレンドは瓶詰め前に行い、無清澄・ノンフィルターで瓶詰め。SO2はボトリング後のワインのネガティブな反応を避けるために必要最低限のみ添加。2021ヴィンテージは総生産量754本。2022年5月時点のSO2トータルは62mg/l。アルコール度数は12度。
このキュヴェは自然の四大要素の中の『風』を象徴しているワインです。『ベリチオ・デル・シルカ』とは古いトスカーナの方言で「悲惨な悲鳴」を意味します。このワインが栽培される区画は、ブドウ木が畑の傾斜に対して水平に植えられています。このため、強い風が吹くとブドウ木がナイフのように風に切り裂かれ、支柱のワイヤーに触れて「悲鳴のような」音を発することが名前の由来です。
生産者について
Manuel Pulcini マヌエル・プルチーニはローマ生まれの現在 35 才。両親がローマ郊外に小さなカーヴを所有していたため、小さい頃からワインが身近にありました。自然にワイン造りに関心を持ったマヌエルはピサ大学でワイン醸造学の学位を取得。その後、モンタルチーノのフォンテレンツァなどのビオディナミを実践するトスカーナの幾つかのワイナリーで働き、ビオディナミとナチュラルワイン造りへと惹かれていきました。
トスカーナには愛情を込めて手入れされていたブドウ畑が数えきれないほどあります。しかし、現代産業の流入によって見捨てられてしまいました。これらの畑は過去の農村の遠い思い出になってしまっています。マヌエルはこの衰退する農村の流れに反抗することを決意。友人のサポートで、トスカーナのルッカ近郊に約 2.3 ヘクタールの耕作放棄されたブドウ畑を借りて 2017 年 1 月に自身のワイナリーを設立しました。マヌエルが目指したのは、ブドウ畑に新しい生命を吹き込み、現代的醸造学のワイン造りから解放された、自然を尊重したワイン造りのプロジェクトでした。
マヌエル・プルチーニにインスピレーションを与えているのは以下のような考え方です。
■ 四大元素、「水と風と火と土」は地球上に存在するあらゆる物質の原料となる自然の要素であり、生命を生む原型であり、宇宙の原理です。これは残していかなければならない農村の哲学です。
■現在の狂気に満ちたグローバリスムの世界においては、自然への回帰とは、過去の農村の価値を再発見し、土の上で額に汗して働くことです。マヌエルは以下のように語っています。
「私たちがエネルギーと情熱をもって追求するプロジェクトは、古代の価値の発見、本物の農業、自然なワイン醸造を通して、忘れられたライフスタイルとブドウ畑を継承していくための新しいワイン造りのプロジェクトです。私たちはこのプロジェクトを通して伝統的な農業と現代の世界とをつなぐ架け橋になりたいのです。」
四大元素説:万物は水風火土(地)の四つの元素から成り立っているという思想。古代ローマやギリシャ時代から支持され、プラトンやアリストテレスの思想もこの四大元素の考え方を基にしていると言われる。