マロカ 2021 / マヌエル・プルチーニ
ワイナリー:マヌエル・プルチーニ
生産地:イタリア / トスカーナ
品種:トレッビアーノ70%、マルヴァジア10%、その他20%
タイプ:白
栽培:ビオディナミ
SO2:瓶詰時少量、2022年5月時点のSO2トータル73mg/l
【トスカーナ注目のビオディナミ生産者】
マヌエル・プルチーニ。ヴィンテージを重ねるごとに洗練されていき、何より彼のワインからは溢れるエネルギーやスケールの大きさを感じます。
※以下、インポーターVIVIT様情報
マロカ 2021
ブドウは手摘みで収穫し、トレッビアーノとその他の品種は全房で圧搾、マルヴァジアは除梗・破砕して数日間のスキンコンタクト。低温で清澄した後、品種毎別々に野生酵母のみでステンレスタンクで自発的に発酵。その後マロ発酵と熟成。醸造添加物は一切加えずに醸造する。ブレンドは瓶詰め前に行い、無清澄・ノンフィルターで瓶詰め。SO2はボトリング後のワインのネガティブな反応を避けるために必要最低限のみ添加。2021ヴィンテージは総生産量1,850本。2022年5月時点のSO2トータルは73mg/l。アルコール度数は12度。
このキュヴェは、自然の四大要素の中の『水』を象徴しているワインです。マロカとは古いトスカーナの方言で「井戸の怪物」を意味します。マロカは神話の中の怪物で、下半身が人魚の美しい少女です。危険で恥ずかしがり屋で、井戸に隠れて子供を誘拐して食べてしまうと言われていました。母親達は子供が井戸に近づかないように注意していました。エチケットのイラストはこの井戸の怪物マロカです。
生産者について
Manuel Pulcini マヌエル・プルチーニはローマ生まれの現在 35 才。両親がローマ郊外に小さなカーヴを所有していたため、小さい頃からワインが身近にありました。自然にワイン造りに関心を持ったマヌエルはピサ大学でワイン醸造学の学位を取得。その後、モンタルチーノのフォンテレンツァなどのビオディナミを実践するトスカーナの幾つかのワイナリーで働き、ビオディナミとナチュラルワイン造りへと惹かれていきました。
トスカーナには愛情を込めて手入れされていたブドウ畑が数えきれないほどあります。しかし、現代産業の流入によって見捨てられてしまいました。これらの畑は過去の農村の遠い思い出になってしまっています。マヌエルはこの衰退する農村の流れに反抗することを決意。友人のサポートで、トスカーナのルッカ近郊に約 2.3 ヘクタールの耕作放棄されたブドウ畑を借りて 2017 年 1 月に自身のワイナリーを設立しました。マヌエルが目指したのは、ブドウ畑に新しい生命を吹き込み、現代的醸造学のワイン造りから解放された、自然を尊重したワイン造りのプロジェクトでした。
マヌエル・プルチーニにインスピレーションを与えているのは以下のような考え方です。
■ 四大元素、「水と風と火と土」は地球上に存在するあらゆる物質の原料となる自然の要素であり、生命を生む原型であり、宇宙の原理です。これは残していかなければならない農村の哲学です。
■現在の狂気に満ちたグローバリスムの世界においては、自然への回帰とは、過去の農村の価値を再発見し、土の上で額に汗して働くことです。マヌエルは以下のように語っています。
「私たちがエネルギーと情熱をもって追求するプロジェクトは、古代の価値の発見、本物の農業、自然なワイン醸造を通して、忘れられたライフスタイルとブドウ畑を継承していくための新しいワイン造りのプロジェクトです。私たちはこのプロジェクトを通して伝統的な農業と現代の世界とをつなぐ架け橋になりたいのです。」
四大元素説:万物は水風火土(地)の四つの元素から成り立っているという思想。古代ローマやギリシャ時代から支持され、プラトンやアリストテレスの思想もこの四大元素の考え方を基にしていると言われる。